販売管理は、顧客からの注文情報とデリバリー管理を販売プロセスに従って一元的に管理します。

 

【受注管理】

受注情報の登録は、得意先マスタや品目マスタを参照して、顧客注文情報をマニュアル登録します。

【メニューパス】 販売管理ー>受注管理ー>受注伝票

① 新規受注伝票の作成
グリッド切替ボタンと新規レコード登録ボタンをクリックして新規に受注伝票を登録します。

  • 伝票タイプ:標準受注などの受注伝票タイプの中から選択(例、標準受注)
  • 取引先:注文を発注した顧客(例、東京商事)
  • 出荷予定日:システム日付または顧客指定の納品日から逆算した出荷予定日(例、2016年6月30日)
  • 納品日:システム日付または顧客指定の納品日(例、2016年7月1日)
  • これらの項目を入力すると、取引先マスタで管理されている、プライスリスト情報や、出荷方法、出荷ルールなどの出荷情報、支払方法や支払条件などの請求情報が読み込まれ受注情報を自動的に補足します。

    ② 受注伝票ヘッダの保存
    グリッド切替ボタンと新規レコード登録ボタンをクリックして新規に受注伝票を登録します。

    ③ 受注伝票明細の登録
    ヘッダの保存ボタンをクリックすると自動的に明細の新規レコードが入力待ちとなります。あるいは、ヘッダの保存ボタンをクリックせずに明細の新規ボタンをクリックすると、ヘッダ情報を自動的に保存します。

    ※ 受注明細への品目指定について
    品目指定項目に品目コードまたは品目名称を直接入力した場合、一意に目的の品目がシステムの検索機能によりヒットした場合は、それで品目指定は完了です。あるいは、項目右に配置されている検索ボタンをクリックして、以下のような品目検索画面から品目を指定する方法の二通りの品目指定の方法があります。後者のメリットとしては、一回の検索結果から、チェックボックス方式で複数の品目を指定することができ、選択した複数品目を一括して明細に登録することができます。(ADempiere CEは受注伝票明細処理での複数明細一括登録機能には対応していません)

    ④ 受注伝票明細の更新
    受注伝票明細で受注品目を指定すると登録されているプライスリストから自動的に単価情報を読み込み、受注数量に応じて価格計算を行います。

  • 製品:受注品目を指定
  • 数量:受注数量を指定
  • これらの項目を入力するとマスタ単価の読み込みや税率判断、税額計算などを自動的に行います。
    詳細確認したい明細レコードを選択し、明細のグリッド切替ボタンをクリックすることで、選択した明細レコードを詳細表示に切り替えることができます。

    ⑤ 受注伝票ステータスの更新
    受注伝票登録が完了したら、伝票アクションボタンをクリックして、“完成”または“準備”のステータスを選択します(新規登録時=伝票ステータスが「草案」の場合)。

  • 完成:すべての受注情報が確定している場合(出荷所要が発生し、受注情報も変更不可となる)
  • 準備:出荷所要に関係しない項目(例えば単価など)の確定を除いて、受注情報が確定している場合(=出荷所要発生)
  • その他伝票アクションで指定可能なステータスとして、「削除」、「終了」などがありますが、何れも準備または完成ステータスにある登録済受注伝票に対するステータス変更時に用います。

    登録が完了した受注伝票データ

    受注伝票ウィンドウのリスト表示状態

    受注伝票リスト表示では、完成ステータスの受注伝票行は薄いグレー表示、準備または草案ステータスの受注伝票は白抜き表示、削除ステータス(論理削除)の受注伝票は濃いグレーで配色表示されます。

    その他の受注伝票タイプ

    受注伝票タイプは、受注登録後の後続伝票データ(出荷伝票や売上伝票など)を制御します。
    以下は受注伝票タイプ別の伝票フローパターンです。

    受注伝票タイプ伝票フローと特徴
    標準受注受注伝票 → 出荷伝票 → 売上伝票の3伝票処理を1ステップずつ処理します。
    倉庫受注受注伝票・出荷伝票 → 売上伝票 受注伝票登録と同時に出荷伝票を自動作成します。
    信用受注受注伝票・出荷伝票・売上伝票の3伝票処理を受注伝票登録と同時に処理します。
    POS受注受注伝票・出荷伝票・売上伝票・現金出納帳レコード作成までを一括して行います(現金取引)。
    前受受注受注伝票 → 前受入金 → 出荷伝票・売上伝票の順で伝票を処理します。
    見積伝票出荷所要が発生しますが、見積伝票を元に出荷伝票は作成できません。(=見積伝票)
    見積伝票を元に標準受注などの受注伝票データに変換することが出来ます。
    引合伝票出荷所要は発生せず、引合伝票を元に出荷伝票も作成できません。(=引合情報)
    引合伝票を元に標準受注などの受注伝票データに変換することが出来ます。

    受注伝票データ項目説明

    受注伝票ヘッダーデータ
    項目名機能説明
    組織受注伝票の主管組織です。
    伝票タイプ受注伝票の伝票タイプです(※6ページの「その他の受注伝票タイプ」を参照)。
    伝票番号受注伝票番号です。
    顧客注文番号顧客が指定する顧客発番の伝票番号です。
    取引先得意先(=受注先)です。
    取引先住所得意先の住所であり、複数の住所がある場合は、納品先となります。
    連絡先得意先側の連絡先担当者です。
    直送取引先に対する取引先住所とは異なる取引先に納品する場合にフラグをONに設定します。
    直送取引先“直送”がONの場合に表示され、直送する取引先を指定します。
    直送取引先住所直送先の納品先住所を選択します。
    直送取引先連絡先直送先の連絡先担当者を選択します。
    注文日付注文を頂いた日付です。
    納品日顧客への納品日です。
    出荷予定日納品日から配送日数を加味した自社出荷予定日です(=需要日付)。
    伝票状態伝票データのステータスを表します。
    小計額消費税を含まない明細合計額です。
    合計額消費税を含む伝票合計額です。
    詳細コピー別の受注伝票の明細データをコピーします。
    伝票アクション伝票状態を変更する場合に、変更可能なステータスを指定して、伝票状態を更新します。
    倉庫顧客への出荷倉庫です。
    出荷ルール一括納品のみ可、分割出荷可などの出荷時の出荷可能状態の基準値です。
    出荷方法配送や受取りなど、配送の形態を表します。
    支払方法現金払い、掛け取引などの決済の方法を表します。
    支払条件月末締翌月末支払などの請求締めのタイミングと支払期日ルールを併せ持ちます。
    価格表受注伝票単位に用いられる単価マスタです。
    通貨単価マスタに設定されている通貨コードであり、この通貨コードが取引通貨となります。
    運賃ルール運賃に関するルールです(標準仕様は運賃込みのみ有効)。
    運送会社運賃ルールが“運送会社”の場合に登録済の運送会社を選択します。
    運賃カテゴリ登録済の運賃カテゴリを選択します。
    運送料運送料を指定します。
    請求取引先受注先に紐づく、別の請求先です(通常は受注先=請求先です)。
    請求先住所請求先の住所情報です。
    請求連絡先請求先側の連絡先担当者です。
    請求ルール顧客への請求に関するタイミングの基準ですが、標準仕様では特段の処理は行いません。
    説明受注伝票ヘッダに対する説明項目です(任意)。
    受注伝票明細データ
    項目名機能説明
    明細番号明細番号です。
    製品販売品目を指定します。
    数量販売数量を指定します。標準仕様では販売数量単位=在庫数量単位のみです。
    数量単位製品で指定した品目により自動決定します(=在庫管理単位)。
    単価単価マスタを納品日基準で検索して、ヒットした単価を初期値提案します(変更可)。
    明細正味額数量×単価です。
    税率各種設定値により消費税率を自動決定します。
    税額明細正味額×税率に取引先マスタの端数処理ルールが適用され自動決定する。
    明細合計額明細正味額+税額です。
    マスタ単価単価マスタを納品日基準で検索して、ヒットした単価を初期値提案します(変更不可)。
    定価単価マスタを納品日基準で検索して、ヒットした単価を初期値提案します(変更不可)。
    割引%単価をマニュアルで修正した場合、定価との比率を計算します。
    取引先住所明細の納品先を表します。
    出荷予定日明細の出荷予定日を表します。
    納品日明細の納品日を表します。
    出荷済数量出荷済数量を表します(表示のみ)。
    予約済数量予約済数量を表します(表示のみ)。
    請求済数量請求済数量を表します(表示のみ)。
    説明受注明細に対する説明項目です(任意)。
    受注伝票消費税データ
    項目名機能説明
    組織上位タブの値を継承します。
    受発注No上位タブの値を継承します。
    税率上位タブの値を継承します。
    税額上位タブの値を継承します。
    課税額上位タブの値を継承します。
    税込価格上位タブの値を継承します。

    ※ 上記伝票明細の項目は、受注伝票タイプや特定の項目値、伝票状態により動的に変化します。

     

    【出荷管理】

    顧客の注文情報に対して、出荷業務を管理するには、出荷伝票を登録し出荷の状況と実績を管理します。
    出荷伝票は、完成済の受注伝票を対象にして、出荷条件を満たす時に出荷伝票を生成することができます。

    【メニューパス】 販売管理ー>出荷処理ー>出荷伝票作成

    ① 出荷伝票の作成
    出荷業務のための出荷伝票は、下記の出荷伝票作成プロセスで生成します。

    画面上部の条件に合致した受注伝票がリスト表示され、目的の受注伝票レコードを選択して画面右下のOKボタンをクリックすると、出荷残数量分が出荷伝票として新規に作成されます。

    【メニューパス】 販売管理->出荷処理ー>出荷伝票

    ② 作成された出荷伝票に対する操作
    前プロセス実行時に生成される出荷伝票のステータスを“完成”で処理した場合は、本操作は不要ですが、“準備”ステータスで出荷伝票を作成していた場合は、当該出荷伝票に対して出荷作業が完了した時点で、当該出荷伝票のステータスを更新する必要があります。

    伝票アクションで“完成”ステータスをクリックすると、出荷伝票は在庫の引き落としを行い、伝票処理を終了します。
    印刷ボタンをクリックすると、以下のプレビュー画面表示され、通常の印刷環境で納品書フォームを印刷することができます。

    ADempiereは、Jasper Reportで開発された帳票フォームを起動し、処理中の伝票情報を定型帳票フォームとして印刷することができますので、独自帳票フォームを必要とする場合は、Jasper ReportのiReport(帳票フォーム開発ツール)を使用してフォームを開発します。

    ③ 完成処理された出荷伝票の会計転記内容の確認
    出荷伝票が完成処理されると、ADempiereシステムでは在庫を更新します。また、在庫更新に伴い会計転記が発生します。この会計転記は通常最大1時間以内に自動的に転記されますが、即時に転記処理を実行することもできます。

    転記済ボタンをクリックすると、会計ビューワーが起動し、転記結果を確認することができます。

    (借方)売上原価/商品(貸方)の会計仕訳が出荷明細毎に自動転記されます。

    出荷伝票処理に関する補足情報

    出荷伝票処理は、出荷伝票単体利用でも在庫を払い出し、出荷業務を完了することができますが、出荷伝票の伝票アクションボタンで、出荷伝票を完成処理する前に、出荷場所に対する出荷確認依頼や梱包データ管理を連動させることもできます。
    例えば、出荷伝票の基本処理は本社で行うが、ピッキングは倉庫で行う場合、出荷伝票処理を本社で行い、倉庫では出荷伝票から生成された、入出荷確認(在庫管理>入出荷確認を参照)を用いて、業務処理を分担することが出来ます。

    出荷伝票データ項目説明

    出荷伝票ヘッダーデータ
    項目名機能説明
    倉庫出荷を行う倉庫です。
    組織出荷伝票の主管組織です。
    伝票タイプ出荷伝票の伝票タイプです。
    伝票番号出荷伝票番号です。
    取引先得意先(=受注先)です。
    取引先住所得意先の住所であり、複数の住所がある場合は、納品先となります。
    連絡先得意先側の連絡先担当者です。
    直送“直送”がONの場合に表示され、直送する取引先を指定します。
    直送取引先直送先の納品先住所を選択します。
    直送取引先住所直送先の連絡先担当者を選択します。
    直送取引先連絡先“直送”がONの場合に表示され、直送する取引先を指定します。
    移動日出荷作業により在庫が減少する在庫移動日です。
    記帳日付在庫移動に伴い棚卸資産が減少する会計記帳の会計転記日です。
    注文日付出荷伝票の元となった受注伝票上の注文日付です。
    受発注No出荷伝票作成時に参照された受注伝票番号です。
    顧客注文番号顧客が指定する顧客発番の伝票番号です。
    確認作成入出荷確認伝票を新規作成する場合に、同ボタンを押下します。
    伝票アクション出荷伝票のステータスを変更する場合に選択します。
    転記出荷伝票が完成済になると、転記ボタンを表示され、即時転記を行うことが出来ます。
    出荷ルール一括納品のみ可、分割出荷可などの出荷時の出荷可能状態の基準値です。
    出荷方法配送や受取りなど、配送の形態を表します。
    移動タイプ当該伝票における在庫の移動理由を表す移動タイプです。
    伝票状態伝票データのステータスを表します。
    説明出荷伝票ヘッダに対する説明項目です(任意)。
    出荷伝票明細データ
    項目名機能説明
    明細番号明細番号です。
    製品出荷品目です。
    数量出荷数量です。
    数量単位出荷数量の在庫管理単位です。
    インスタンス該当品目がロット管理品の場合、インスタンスが自動決定されます。
    生産ロットロット管理品は出荷ロットをマニュアル指定します。
    保管場所出荷保管場所です。
    移動数量出荷数量です。
    金型出荷品目生産時の金型情報などを入力します。
    金型キャビ出荷品目生産時の金型キャビ情報などを入力します。
    受注/発注明細出荷明細の元となった受注伝票明細情報です。
    顧客注文番号顧客が指定する顧客発番の伝票番号です。
    出庫数量出荷数量です。
    目標数量出荷数量です。
    確認済数量入出荷確認伝票処理時に確認された数量です。
    廃棄数量入出荷確認伝票処理時に指定された廃棄数量です。
    有効レコードの有効フラグです。
    説明出荷伝票明細に対する説明項目です。(任意)

    ※ 上記伝票明細の項目は、出荷伝票タイプや特定の項目値、伝票状態により動的に変化します。

     

    【売上管理】

    顧客への出荷実績が発生したら売上処理を実行し、売上計上を行います。

    【メニューパス】 販売管理ー>売上処理ー>売上伝票作成

    ① 売上伝票の作成
    出荷実績を売上計上するために、売上伝票を下記プロセスで生成します。

    売上処理を行う受注伝票を選択して、画面下部のOKボタンをクリックすると、下記売上伝票が自動生成されます。

    【メニューパス】 販売管理ー>売上処理ー>売上伝票

    ② 売上伝票の更新
    上記売上伝票作成プロセス実行時に、作成する売上伝票のステータスを”完成”で実行した場合は、売上伝票の更新操作を必要ありませんが、“準備”で実行していた場合は、売上伝票のステータスを更新する必要があります。

    ※ 売上伝票を作成する手順としては、上記方法以外に【メニューパス】 販売管理>売上処理>売上伝票自動作成プロセスを、ジョブスケジュール登録することにより、定期的に自動実行するようプロセスをスケジュール化することもできます。

    売上伝票が完成すると、売上伝票は会計転記を行うポイントなので、会計転記処理が自動的に実行されます。

    売上伝票処理による会計転記の内容は、売掛金/売上高(+仮受消費税)で転記されます。

    売上伝票データ項目説明

    売上伝票ヘッダーデータ
    項目名機能説明
    組織売上伝票の主管組織です。
    伝票タイプ売上伝票の伝票タイプです。
    伝票番号売上伝票番号です。
    受発注No売上伝票の状態です。
    取引先売上先です。受注伝票においては請求先です。
    取引先住所請求先の住所情報です。
    連絡先請求先の連絡先担当者です。
    伝票状態伝票データのステータスを表します。
    請求日付売上日です。通常この日付は締請求書上の参照日付となります。
    記帳日付売上実績の会計転記日です。
    注文日付売上の元となった受注伝票の注文日付です。
    顧客注文番号顧客が指定する顧客発番の伝票番号です。
    小計額消費税を含まない明細合計額です。
    合計額消費税を含む伝票合計額です。
    伝票アクション伝票状態を変更する場合に、変更可能なステータスを指定して、伝票状態を更新します。
    転記売上伝票が完成済になると、転記ボタンを表示され、即時転記を行うことが出来ます。
    支払方法現金払い、掛け取引などの決済の方法を表します。
    支払条件月末締翌月末支払などの請求締めのタイミングと支払期日ルールを併せ持ちます。
    価格表売上伝票単位に用いられる単価マスタです。
    通貨単価マスタに設定されている通貨コードであり、この通貨コードが取引通貨となります。
    明細コピー売上伝票をマニュアル登録する際に、明細を他の売上伝票からコピー登録する際に用います。
    回収ステータス回収に関する任意ステータスを管理することができます。
    支払スケジュール回収に関する任意のスケジュールを登録管理することができます。
    支払済当該売上伝票に対する入金登録が行われた場合にフラグが自動設定されます。
    説明売上伝票ヘッダに対する説明項目です(任意)。
    売上伝票明細データ
    項目名機能説明
    明細番号明細番号です。
    製品売上品目です。
    数量売上数量です。
    数量単位売上数量単位です。
    単価売上時の単価です。
    明細正味額数量×単価です。
    税率各種設定値により消費税率を自動決定します。
    税額明細正味額×税率に取引先マスタの端数処理ルールが適用され自動決定する。
    明細合計額明細正味額+税額です。
    マスタ単価プライスリストに登録されているマスタ単価です。
    定価プライスリストに登録されている定価です。
    限度価格プライスリストに登録されている限度価格です。
    請求済数量請求済数量です。
    出荷入荷明細売上明細の元となった出荷伝票明細情報です。
    顧客注文番号顧客が指定する顧客発番の伝票番号です。
    説明売上伝票明細に対する説明項目です(任意)。

    ※ 上記伝票明細の項目は、出荷伝票タイプや特定の項目値、伝票状態により動的に変化します。

     

    【締請求書機能】

    ADempiereスターターキットには、売上伝票単位の請求書もありますが、B2Bにおいて通常使用される請求書は月次で発行される月次請求締請求書にも対応しています。締請求書機能は、顧客との締請求の取り決めに従い、月次で請求額を集計し鑑付き請求書を作成発行するプロセスです。

    【メニューパス】 販売管理ー>売上処理ー>月次締請求処理ー>締請求書データ作成プロセス

    ① 締請求データ作成処理
    条件に合致する締請求データを一括作成します。